他者への想像力

自分以外の存在について想像力を働かせるというのは、「自分がその状況に置かれたら、どうするか?(どう思うか? どう感じるか?)」ではなくて、「自分がその境遇だったら?」と、生まれ、育ち、思想、その他諸々の「その他者」を構成するあらゆる要素に思いを馳せ、そこに可能な限り近づくことだ。「相手の気持ちになって考える」とはそういうことだ。

だが、もちろんそんなことは不可能である。自分で作った創造上のキャラクターでさえ限界があるのに、構成要素を不完全にしか把握していない実在の他者について、どれほど想像し理解を及ぼせるだろう?

だからって、諦めたらそこで人生終了ですよ。