Canvas2 お誕生日SS

えー、日付変わっちゃったのが情けないんですが。
Canvas2 DVDEdition』の竹内麻巳ちゃんの誕生日ってことで、SSを書いてみました。なにげにキャラ物のSSを書き上げたのは初めてだったりもしますが。

ちょっとエッチっぽいので、「続きを読む」からどうぞ。

追記

シチュを書き忘れてましたが、朋子EDと麻巳EDを混ぜたIFもので、麻巳が撫子を卒業してからしばらく経って、、、という感じで。

 この門をくぐるのも久しぶりだ。撫子学園を卒業して半
年、大学生活に慣れるのに必死で母校を訪ねることさえで
きなかった。
 だけど今は大学も夏休み。母校を、恩師を訪ねるのにこ
れほど都合の良い理由もない。帰省したら懐かしくなって
しまって、とか言えばいいんだから。

 来賓玄関で用向きを伝え、美術室へと向かう。夏休みな
のは大学だけではなく、この撫子も夏休みになっている。
おかげで校内に生徒の姿はなく、さらに都合が良い。ただ
先生もいるかどうかが心配ではあるけれど、私の背中を押
してくれたあの人なら、きっといてくれると勝手に期待し
ている。まさか、「なんとなく誰かが来るんじゃないかっ
て思ってな」とは言わないだろうけど……でも、もしもそ
んなことになったりしたら、私は、私でいられるのか。
 いや、なにを妄想しているんだ、私は。先生に里帰りの
挨拶をしに来ただけなのに。美術室だってもう目の前なん
だから気持ちを切り替えて、ひと皮むけて大人になった私
を先生に見てもらうんだから。
 よし。まずはノックから……

「んゃぅっ」

 え? なに? 声?
 ……ううん、もしも美術室に先生がいるのであれば、声
がしてもおかしくない。むしろひとりでいるよりも、美術
部の指導をしている方が不自然ではないし、熱心に教職を
務めているのだと安心もできるけれど。
              ・・・・・
 でも、今の声は、あまりに、女性らしくて、ノックをし
ようと上げた手も固まってしまう。この扉の奥にある物は
見てはならないような気がしてしまう。
 しかし。
 それは気のせいかもしれないし、さっきの声も聞き間違
いかもしれない。
 そう、そうだ。聞き間違いかもしれない。ならばもう一
度確かめよう。

「……ん……はぁ……んん……」

 木製の引き戸が揺れないように、そっと耳を当て、中の
様子を窺う。
 低い息づかいは間断なく、同時になんどもなんども名前
が呼ばれている。私のよく知る名前が、甘くまつわりつく
声で繰り返されている。
 どんな時にそんな声が出るのか、女だったら誰だって知っ
ている。
 けれど、信じられるかどうかは別だ。
 扉の向こうで、私の先生が、女性と……だなんて。
 そんなこと信じたくない。きっと私の聞き違い。思い違
い。暑気に当てられて、ちょっと耳が変になっただけ。だ
からちゃんとこの目で確かめればいい。自分がいない時で
も鍵をかけ忘れる先生なら、今のこの時も、きっと鍵はか
けていないから。
 扉に掛けた手をそっと引く。音を立てないように、少し
ずつ隙間を広げる。
 思った通り、鍵はかかっていなかった。そして開いた隙
間から、より大きな音が漏れてくる。
 ちゅぷちゅぷ、というヌメリ気のある音と、女性のあえ
ぐ声が。

「んふぅ、もう、イキそ……」

 なじみ深い制服は乱れて、まくり上げられたスカートか
らはお尻がむき出しで、病的なほど白い肌を内側からの火
照りで朱色に染めているその子を、先生が後ろからかき抱
いていた。

「ひろき……来て……奥まで……」

 大きな三つ編みのその子は先生を名前で呼ぶ。
 先生が撫子に来てからの2年間、一番先生の側にいたと
自負する私でさえ、怒るついでにフルネームで呼ぶことし
かできなかった名前を、その子は易々と、しかも愛しさを
込めて呼んでいる。

「ふゃっ、も、だめ……ひろき、ひろき、ひろっっ、きっ
っっっ……」

 ぱつんっ、と一際大きな音を立てて腰を打ち付けると、
女の子はビクンッと背中をのけぞらせ、倒れそうになると
ころを先生に抱き留められた。
 そのまま先生に身体を預け、さりげなく口づけをする。

「もう、生で出してくれて良かったのに。ゴム付けたら浩
樹が感じられないわ」
「ばかもの……そういうのは、なんだ、結婚してからだ」
「することする割には固いんだから……オチ○チンも」

 そんなことを言って、再びキスを交わす二人に愕然とし
た。
 け、っこん……?
 先生は、照れ隠しに悪態をつく、紛れもない上倉浩樹先
生で、相手の女の子は、制服からも間違いなく撫子の生徒
だ。そんな二人が結婚を口にするってどういうこと?
 どうもこうもない。
 二人の睦まじい様子を見れば、愛し合っているという答
え以外を思いつけない。
 その結論に達した私は、全身から力が抜け、その場にへ
たり込んでしまった。

「誰っ!?」

 その音に女の子が気付いた。
 気の強そうなつり目が私を射抜く。
 見たことのない顔だった。
 鳳仙さんでも、桔梗先生でも、よく先生を訪ねて来てい
た萩野さんでもない。
 親しくもない人がなぜ先生の腕の中にいるのか。こみ上
げてきた怒りに、気付けば扉を開けて中に踏み込んでいた。

「なにを、なさっているんですか」

 私の声に振り返った先生が目を剥く。一方で女の子は猫
のように目を細めた。

「……あんた、誰?」
「それは私のセリフです。美術室に部外者がいるなんて」
「部外者なのはあんたでしょ? どう見たって私服だし、
学園でも見かけないもの」
「私はここのOGです! 久しぶりに訪ねて来たと思った
ら……神聖な美術室でなんて破廉恥な!」
「待て待て! 二人とも落ち着け。藤浪も竹内も。な?」

 藤浪……この子は藤浪というのか。

「竹内? なんか聞いたことある名前ね」
「……美術部の前部長だよ……教えただろ……」

 首をかしげる藤浪さんに先生が耳打ちするのすら、今の
私には腹立たしい。

「ああ、思い出したわ。美術の鬼とか水彩の悪魔とか言わ
れてた人ね」
「ちょっと、先生! 聞いたことのないあだ名が増えてま
すよ!」
「いやな、部長の思い出話を部員たちとしてた時に、つい
ポロッと言ったら広がっちゃって」
「広がっちゃって、じゃありません! その『ついうっか
り』みたいなことじゃ誤魔化され……じゃなくて!」

 いけないいけない。話が逸れるところだった。

「私が問題にしているのは、部外者がこの場にいる、とい
う事実です」
「だから部外者はあんたの方だって言ってんでしょ」
「OGは関係者です」
「在学生の方がよほど関係者だと思うけど?」
「しゃーらっ――」
「黙るのはあんたの方よ。あたし、美術部員だもの」
「ぷ……なんで、すって?」
「入部はあんたが卒業した後だから、知らないのも無理な
いけどね。だからって今までの暴言をなかったことにはで
きないわ。ね、浩樹?」
「いや、オレに振るなよ……」

 こんな、こんなふしだらな子が、栄光ある撫子美術部の
部員、ですって。先生にしなだれかかって、甘えて、先生
も満更じゃないって顔をして!

「やめなさい! 離れなさい! 今すぐに! さあ! 早
く!」
「いやよ。なんの権限があってそんなこと言うわけ?」
「OGとして!前部長として! ひとりの絵描きとして、
よ! 美術室は恋人みたいにイチャイチャする場所じゃあ
りません!」

 そう怒鳴ってから、自然と出た『恋人』という言葉にガ
ツンと頭を殴られるほどショックを受けた。二人が恋人の
ようだと、私は認めているのだと。

「せ、先生もなんとか言ってください! こんな年端もい
かない娘にたぶらかされて、大人として情けないと思わな
いんですか!?」

 こんなの、ただの嫉妬だ。自分で言ってて虚しくなる。

「たぶらかされてなんかいない。オレは真剣に藤浪を愛し
ているんだ」

 駄目だ。今度こそ、本当に打ちのめされた。
 先生が語る藤浪さんとの出会いや、こうなるまで経緯や、
現在の状況なんて、耳に入って来ない。

「浩樹はあたしの命の恩人なの。ずっと一緒にいるって約
束してくれたのよ。あなたにどうこう言われたくないわ」
「その、な、竹内? 美術室でこういうことをしたのは悪
いと思う。ごめん、謝るよ」

 謝られたって、私の気持ちは、どこに、どこに行けばい
いんですか? 卒業式に言えなかった気持ちは。

「……冬休みに、私に手ほどきしてくれながら、ちょくちょ
く抜け出していたのは、その子に会うためだったんですか」
「あの頃の藤浪は生きる気力をなくしてて、オレにできる
ことはなんでもしてやりたかったんだよ」
「今のあたしがいるのは、みんな浩樹のおかげなの。たか
が教え子ってくらいで、あたしたちの間に入って来ないで
くれる?」

 この子、鼻で笑って、私を挑発してるの? まさか、私
の気持ちに気付いているの?

「それと、これは学園の連中には内緒なんだが、オレと藤
浪は婚約してるんだ。彼女の卒業と同時に結婚するつもり
でいる」

 先生は真剣な目で私を見つめてそう言った。のぞき見し
ていた時の言葉が、幻聴でも聞き間違いでもないのだと。

「竹内には感謝してるんだ。オレが藤浪のために筆を握れ
たのは、竹内が尻を叩いてくれたり、絵を描く喜びを教え
てくれたからだから」

 藤浪さんの肩を抱き寄せる先生の笑顔は温かくて、頬を
染める藤浪さんも幸せそうで。
 本当に、泣けてくる。
 先生の側にいたくて、先生の隣で絵を描きたくて、先生
のために頑張るって決めたのに。
 先生にはもう、かけがえのない人がいるだなんて。

「竹内的に、教師と教え子って関係は許せないとは思う。
けど学園内でってのは今後は控えるし、藤浪が卒業したら
オレも辞職って形でケジメを付けるつもりだから、ここは
見逃してくれないか?」

 私が、最後の最後で、自分の気持ちを打ち明けられなかっ
た理由を、あっさり乗り越えられてしまったことも驚きで
はあったけれど。それに続いた言葉は、もっと大きな衝撃
を私に与えていた。

「辞職って、撫子を辞めるってこと、ですか?」
「いや、教師そのものを辞めようと思ってる。なるべく藤
浪の側にいられる仕事を探すつもりだ」
「といっても、どうせ絵画関係でしょ。浩樹ったらあたし
以外は絵のことばっかりだもん」
「のろけるな! ていうか聞き捨てならないことを言った
わね!」
「ど、どうした、竹内? 藤浪は変なことは言って」
「私が問題にしているのは先生の方です! 教師を辞めるっ
てどういうことですか!?」

 先生は私の剣幕に目を白黒させて、どうもこうもと口ご
もらせるが、私はかまわずたたみかけた。

「先生と一緒に教師をするって、私の夢はどうなるんです
か!」

 どうして口走ってしまったのか。よほど動揺していたの
に違いない。
 先生と藤浪さんが固まってしまったのを見て、私は失策
を犯したことを知った。そしてこれは、この日最大の失策
でもあった。

「ふぅん……やっぱりねぇ」

 呆然としたまま口を開けている先生とは対照的に、藤浪
さんは不敵に口の端をゆがめると、ゆっくりと立ち上がる。

「ヒステリックに叫んでるから怪しいとは思ってたのよ。
ようやく白状したってところかしら」
「な、なにを言っているのかしら?」
「そもそも挨拶しに来たってわりには、ずいぶんめかし込
んでるし? 胸元が開いてて、スカートの丈も短くて、学
校を訪ねるって格好じゃないわよねぇ。他に目的があるっ
て感じ」
「な、夏なんだから少しくらい大胆な格好してもおかしく
ないわよ」
「TPOって言葉、あんた好きそうじゃない?」

 た、確かに、先生に会うからって、ちょっと気合い入れ
たのは本当だけど。

「だからって、あなたに言われる筋合いはないわ」
「未来の旦那に言い寄る女がいるのに、無視できるとでも
思うの?」
「まだなにもしていないでしょ」

 まだ、ってなによ。もう少し言い方くらい考えなさいよ、
私の馬鹿!

「ま、待ってくれ二人とも。つまりその、まさか、なんだ
けど……竹内がオレを好き、とか、そういう話をしている
のか?」

 確認しなくたっていいじゃない。先生の馬鹿!

「そうよ、って浩樹は気付いてなかったの?」
「だってさ、竹内はオレを怒ってばかりだったし、嫌われ
てはいないにしても、恋愛感情までとは……」

 あの桜花展の絵、一生懸命に想いを込めたんですけどね。

「ふんっ。真っ赤になっちゃって。でも、おかげで良いこ
とを思いついたわ」
「なにを思いついたって言うのよ」

 近づいて来る藤浪さんに、私は後じさってしまう。この
子はどこか得体の知れないところがある。

「あんたみたいなお堅いタイプは、一度やっちゃうと静か
になるものよね」

 彼女のいたずらっ気のある瞳に見据えられて、私は身動
きできなくなる。まずいと思っているのに逃げられないの
は、先生に気持ちを知られてしまったショックから、私が
抜けられていないからだろう。
 藤浪さんは私の背後に回り、両腕を羽交い締めた。

「あたし、結構心が広いのよ。あんたが二番目で良いって
約束するなら、おこぼれを分けてあげる」
「な、なにを言っているの?」
「わからない? ま、処女じゃ仕方ないか」
「しょっ、処女って! なんで知ってるのよ!」
「当てずっぽうに決まってるでしょ。動転しないでよ」
「……」

 さっきから手玉に取られてばかりで情けない。こんな姿
は先生に見られたくない。

「あのな藤浪……オレも、今ひとつ状況がわからないんだ
が」
「簡単よ。浩樹はこの女を抱いて、望みを叶えてやればい
いの。好きな人に処女を奪われれば満足でしょ」

 恐ろしいことをさらりと……それは、先生に抱かれるの
は嬉しいけど……ってそうじゃなくて!

「いやっ! こんな形でしたくなんかない! 先生も来な
いでください!」
「しかし……藤浪に頼まれたら、オレは断れないよ」
「断ってください! 間違ったことは、間違ってると言っ
てください!」
「オレの一番は藤浪だから、竹内の思いに完全に応えるこ
とはできないと思う。だけど、オレを助けてくれた竹内に
できるだけのことをしたいと思うのは、いけないことか?」

 ずるい。そんな言い方をされたら、駄目だなんて言えな
い……

「なんてことあるかー! 私の気持ちを考えるなら、別の
答えが見つかるでしょー!」
「悪い竹内。でも一番大切にしたいのは藤浪の気持ちなん
だ」
「そういうことよ。あたしと浩樹は深い絆で結ばれてるの」

 駄目だ、こいつら。二人の世界に浸りきってる。

「安心していいわよ。浩樹はテクニシャンだから、初めて
でもちゃんとイカせてくれるわ」
「優しくするよ、竹内」

 ああ、耳元で囁かないで。くすぐったくて恥ずかしいか
ら。
 けれど身悶えする間に藤浪さんは私の服を脱がしにかか
り、先生が肌に触れてくる。
 鮮やかに筆を操るその指が、私の身体の上をカンバスの
ように走り、それだけで私は蕩けてしまう。夜ごとに幾度
も夢想した、そのままの指技に。

「ふふ、ほんとに大人しくなっちゃった。浩樹、しっかり
感じさせてあげてね」
「ああ、わかってる。いくよ、竹内」

 先生に正面から抱きすくめられ、お尻から背中を撫でら
れて、痺れるようなふるえに知らず先生に抱きついた。
 藤浪さんの戒めはすでに解かれ、彼女も愛撫に参加して
いる。フロントホックのブラを外し、露わになった乳房を
揉まれる。
 二人にサンドイッチされ、私は刺激を受け入れることし
かできない。ただ悦びだけは見せないように、じっと耐え
ることしかできない。
 しかし、耐えきる自信は正直なかった。
 たとえ藤浪さんの陰謀だとしても、好きな人に想いを伝
えたうえで抱かれることに、幸せを感じている私が、少な
からずいるからだ。藤浪さんが言っていたことは、実に的
を射ていた。

「もうかなりできあがってるわね。そろそろいいんじゃな
い?」
「……竹内、いいか?」

 嫌。
 と、言いたかった。
 なのに私の意志とは関係なく、私の首は、勝手に上下に
動いていた。

「ひぐっ」

 股間に感じる異物に、私は身を震わせる。
 今更ながらに、先生も藤浪さんも、着衣の乱れを直して
いなかったことに気付いた。事後処理もしないままの二人
と言い合いをしていたとは、私の心もやはりどうにかして
いたのだ。

「ボーっとしてないで、しっかり感じなさい。せっかくの
処女喪失なのよ」

 ……逃避していたのに、現実に引き戻されてしまった。
途端、裂傷の痛みが全身を駆けめぐる。真っ赤に熱された
鉄棒を突っ込まれたような痛みが、私を覆っていた快感を
すべて吹き飛ばしてしまった。自然と涙がにじむ。

「大丈夫だよ、竹内」

 先生の指が、その涙をぬぐってくれた。

「せん、せい……」

 それだけで、私は幸せでいっぱいになってしまう。愛を
感じてしまう。

「好きです……先生……」

 やっぱり、私は先生が、上倉浩樹という人が好きだ。
 たとえ、この藤浪という少女と愛し合っていても、私の
気持ちは変わらない。私に彼の愛が向かなくても、私の愛
は変わらない。それほどまでに自分が彼を愛していること
が、私は嬉しくて仕方ない。
 不本意な形で抱かれたことで、私はそのことを確信した。

「愛して、います……」
「たけ、うちっ!」

 先生の熱い精がほとばしる。めまいがするほどの勢いで
私の中に打ち出される。子宮で受ける快感に、私はこれが
セックスの喜びなんだと感じた。
 その喜びにたゆたったまま、先生の唇にキスをしようと
して、引きはがされる。

「ちょっとちょっと! なに中出ししてんのよ! あたし
だって最初の一回しか中に出してもらってないのに!」
「……だったら、これで対等よね……」
「は? あんた、なに言ってんの?」
「私は負けない。あなたが先生を愛しているように、私も
先生が好きだから。だから、先生は渡さない」
「あたしはね、二番目だって我慢すれば、おこぼれを分け
てもいいって言ったんだけど?」
「それは藤浪さんが言っていただけでしょ。私は約束して
いないわ」
「そんな屁理屈が通用すると思ってんの?」
「恋は理屈じゃないわ。私を本気にさせたのは、あなたな
のよ」

 私の宣言に彼女は目を見開いたものの、なにも言い返さ
なかった。
 しかし、その沈黙が了承の意でないことは、敵意に満ち
た瞳を見ればわかる。ただ、こうなった以上は、私も引く
ことはできなかった。

 私の熱い夏は、この日から始まったのだ。

あとがき

ちょっと長かったですね。しかも落ちてません(汗。続きものっぽくなっちゃったのも申し訳なし。お誕生日SSのくせに、麻巳ちゃんが報われてないですし。なんとか続きを書いて、幸せになって欲しいものです。