エロゲを演出するということ

俺個人としては、キャラクターのCGを(あらゆる手段を用いて)動かそうとする演出は、リソースの肥大化を招き、いつかは破綻すると思っているので反対なのである。賛同するとすれば、ILLUSION系のポリゴンモデルをリアルタイムレンダリングする手法くらいだ。
しかし、絵が動く、という単純な気持ち良さが強力で魅力なのも確かで、世の中がその方向に動くのももっともである。

それはそれとして、エロゲは、'ゲーム'という枠を飛び出して'総合芸術'の領域に踏み出しつつある。射精産業のクセに生意気だ。
「芸術」という言い方がお高くとまって聞こえるなら、「表現」と言えば良い。ようは「何かを伝えることができる媒体」だと言いたいだけだから。

そして、「エロゲ」が「総合芸術」という立ち位置に気付いてから、まだ、過渡期どころか黎明期に過ぎない。黎明期なものを、「方向性が違う」とか「その道は破滅に向かっている」などと言うのは詮無いことだ。
とにかく今は、思ったことをやりたいように、好きなだけすれば良い。
エロゲに進むべき道、というものが存在するのであれば、進んだ方向のどれかが道として残るだろう。
「エロゲ」にはそれだけのパワーがあると、俺は信じているからさ。