エロゲーマーのライフパス

どうやってエロゲという娯楽or性処理用具に辿り着きましたか?
俺は若い頃、パソコンをやっていた兄から存在を知らされました。それ以来どっぷり浸かっています。白状すれば、エロ漫画やエロ雑誌・AVに触れる前からエロゲでした。
このような例がどれほど類型的かはわかりませんが、エロゲに嵌るには、まずはエロゲに触れることが必要です。
その上である素養が必要だと思われます。つまり"アニメ、漫画的人物表現"に抵抗を感じない素養です。

アニメや漫画を見たことがある人ならおわかりと思いますが、アニメや漫画で(ビジュアルイメージとして)描かれる非常にデフォルメ(抽象化&記号化)がされており、現実の人間とは似ても似つかないビジュアルになっています(以下「マンガ絵」)。エロゲに好意的な感情を抱くには、マンガ絵を人間だと認識することに拒否感を抱かないことが肝要であり、現実の人間が比較的マンガ絵に近い形態をしている時期、つまり子供、それも小学校低学年のあたり、にマンガ絵に慣れ親しんでいることが、エロゲの受容に有利となります。この年齢層は外界からの情報を吸収しやすい時期でもあり、刷り込み効果もあると考えられます。

さて、そのような素地ができている子供達がエロゲーという娯楽、もしくは性処理用具に辿り着くには、どのような経路があるでしょうか。もしくは作るべきでしょうか。
素地の成立過程からして、漫画やアニメの周辺メディアへの移行が考えられます。移行先としては、グッズやメディアミックスされているメディアが第一に考えられます。好きな漫画→そのアニメ作品orコンシューマゲーム(以下CS)作品という流れか、すきなアニメ→漫画作品orCS作品、といった具合です。フィギュアやぬいぐるみなどの物理的なメディアでもOKです。これらの方向以外にも、思春期に目覚めた青少年であれば直接的な性メディアに向かうかもしれません。この場合はエロ漫画やエロアニメなどが考えられます。
ただ、こちらの方向に来るには、マンガ絵で性的興奮を覚えるように躾けられている必要がありますので、『To LOVEるエム×ゼロには非常に頑張って頂きたいです。感情移入や自己投影しているキャラクターが興奮すると、読者も興奮するようになりますから。この方面で躾けられた方はエロ漫画で処理し続けるか、(価格的に)より高級なエロゲへと自然発展するので問題ないでしょう。めくるめく官能のぬるま湯にようこそ、って感じです。
しかし、周辺メディアへ移行したユーザーが問題です。この時点ではあくまで"特定の作品が好き"なだけですので、他の作品に興味を持つかどうかも不明です。メディア展開に付いてくるユーザーは作品への愛が深い代わりに、移行先のメディア自体への興味が薄くなりがち(メディアミックスには作品への追体験を求めている)なので、よほど移植メディアが素晴らしくなくてもそのメディア自体には興味を持たないでしょう。今回の論旨ではCSについてになりますが、ゲームとして面白くなければ(元のメディアでは体験できなかった面白さがなければ)他のCSに手を出すとは考えられません。例えば、リトや大賀に成り代わってララやヤミや柊愛花と恋愛する、ということを楽しいと思わなければ、他の恋愛系CSを探してみよう、とはなりません。
上手くそのような流れさえ作れれば、思春期の青少年が恋愛の先にリビドーを求めるのは自然なことなので、性の発散先をゲームに求めてくれるかもしれません。十分に若ければ、CSの水着シーンなんかでもイケるでしょうし(笑。
ただし、エロゲとしてはここからが問題です。ユーザーがゲームでリビドーを発散するようになったとしても、CSとエロゲの間には結構な溝があります。エロゲからCS化、アニメ化といったメディア展開は軌道には乗ったものの、CSやアニメ、漫画からエロゲ化する、といった流れでなければ消極的な展開としか言えません。レーティングされているものですからどうにかするのは難しいのですが……
なので法改正をするとかでなければ、ユーザーの性衝動の高まりに期待するしかないのです。となると個人の確率を上げるか、母集団を増やす方向を考えることになりますが、個人の性衝動をどうにかするのは無理なので、母集団を増やしたく思います。すなわち、人気漫画や人気アニメのCS化です。できればToLOVEるエム×ゼロといったバトル系でない、ラブコメ系(べつにコメはなくていいけど)のタイトルを。数が出れば、駄作も増えるでしょうが良作も確率的に増えますので、ゲームへの定着数も増えるでしょう。

やや、どころか確信的に結論ありきで論を進めましたが、これからのエロゲ市場にとって、CSの若年層向け版権ゲーム市場はとても重要な立場を持つと考えます。なので版権ゲームを作っているメーカー(マーベラスとかアイデアファクトリーとかコナミとかバンナムとか)には非常に頑張っていただきたいです。あまり頑張りすぎて、ユーザーがその市場に固執するようになっても困りますけども。
そしてもちろん、有力な人気作品も必要ですので、ゲームに限らず、漫画やアニメ、ラノベ分野でも人気の高い作品が生まれることを期待します。

サブカル分野の消費者人口が増えないと、サブカルのサブセットであるエロゲ市場が大きくならない、といささかつまらない結論にもなってしまいましたが。


先日焼肉に行った際に、エロゲユーザーを増やすためにはどうしたらいい? 的な話になったので、少し考えをまとめてみました。