ここいらで"マルチエロ"という用語を提案したい

超昂閃忍ハルカ(アリスソフト)、CGモードと回想モードが全て埋まりました。幼い頃からコンピュータゲームをたしなんでいる身としては、ゲーム部分が簡単すぎて寂しかったです。エンディングやイベントの条件探索は別として。非戦闘エンドはわかりづらかったです。アキラ先生のイベントがヒントだったなんてさぁ。

ところでこの『ハルカ』。メインはそのゲーム部分ではなく、エッチシチュエーションの豊富さにあるわけですが、性癖を'スク水'、'黒スト'に特化させている身としては、非常に残念な結果となってしまいました。黒ストCGは、非パンストを含めて3枚。スバルの戦闘服が黒のオーバーニーなのでそれで自分を誤魔化すしかないくらいの枚数です。さらにスク水になると2枚なうえに、重ねでは白スクになって萎えること甚だしい。80をこえるシチュエーションがありながら、俺の性癖に合致したのはたったの3シーンか! ……と、シーン内容的には好みのものはいくつもありますが。

とまあ、エロゲ−の中でも'抜きゲー'と呼ばれるジャンルでは、こういうことが割合よく起こりえます。豊富なシチュエーションを用意するばかりに、性癖との合致率が下がってしまうという現象です。

それを「マルチエロ現象」とでも呼んでみましょう。

一方でシチュエーションに特化したもの、最近の物では昨年末の『妹に!スク水着せたら脱がさないっ』(はむはむソフト)がありますが、こちらは「オンリーエロ現象」とでも呼びましょうか。'フェティシズム'というより一般的な用語がありますけども。

抜きゲーを買うというのは、本当、自分好みのキャラクターが自分好みのシチュエーションでエッチをしている、というそれだけを目的に買うものです。ストーリーはキャラクターをより味合うためのスパイス程度、素材はキャラクターで、調理法はシチュエーションです。サーロインをステーキで食べるのが巨乳パイズリなら、焼肉はぶっかけです。さらに例えるならエロゲ−そのものはお店と言えるでしょう。
様々な素材、調理法が同じ店にあるのは、バイキング方式のお店です。普通にレストランと言った方が良いですか。そこで提供される料理はそこそこ美味しくはあるものの、専門店のそれには敵いません。

つまり、「マルチエロ現象」が発生している抜きゲーは、そういうレストランなのです。「オンリーエロ」な抜きゲーは専門店です。

ひとつの料理を食べ尽くしたい気分だ! なんて時は、専門店を選ぶでしょう(予算の話は考えないとして)。そして、前述の通り、抜きゲーをするのは専門店を訪ねる気分なのです。だから俺は声高々に宣言します。マルチエロ現象は罪悪だ! と。

もっと端的に言えば、和姦と凌辱を同居させる必要はないんですよ、と。それをするなら、そこにカタルシスがあるべきだ、と。一本でユーザー全員を満足させようとするから、みんな心の底からの満足が得られないんだ、と。『妹スク』はそりゃもう、色々イマイチではあったけどでも凄く楽しめたんだ、と。『ハルカ』は半端すぎていただけないんだ、と。

果たして『ハルカ』は抜きゲーなのか? という議論もありはするのですが、それも含めて、いささかステレオタイプに陥りすぎた感のある超昂閃忍ハルカなのでした。"戦う女の子がヤラれちゃうゲーム"の。

エロゲ−全体的に、ステレオタイプな印象が多いですけれど。